東北大学東北アジア研究センター プロジェクト研究

減災をめざした電波科学ユニット

ユニットの目的・目標

佐藤研究室では「減災をめざした電波科学研究」を推進しています。 東日本大震災に伴う住宅の高台移転に際し、緊急を要する多数の遺跡調査が見込まれるなど、 効率的な遺跡調査を行うための新技術が社会的に強く必要とされています。 本プロジェクト研究ユニットでは地中レーダーなどの先端的な地下計測手法を利用した遺跡調査技術の開発と、 地方自治体の遺跡探査への実践的な技術協力、技術指導による文化財保護の実践をめざしています。

住宅や道路開発に伴う遺跡調査は国内で年間1万件にのぼりますが文化庁は、 従来の発掘調査に加え、地中レーダーなど非開削手法の導入による調査の効率化を進めています。 奈良文化財研究所は地方自治体文化財担当者に対して、こうした技術導入の指導を行っていますが、 本事業では東北地方に位置し、 20年以上地中レーダー技術の開発に係わってきた東北アジア研究センターが奈良文化財研究所と協力し、 探査技術を実践的に指導まで行える拠点を設けるための準備を行い、 より効率的に実地指導にあたると共に、新たな探査手法の開発を行い、文化財保護に寄与することを目的としています。

大規模な調査を短時間行う手法として東北大学災害科学国際研究所の支援を受け、 2013年2月に遺跡探査用アレイ型地中レーダーを完成させました。 既に東松島町、名取市、山元町、南相馬市などで震災復興に関連する遺跡ならびに地下調査を実施しました。 今後数年間は、我々の研究成果を利用した現場計測とそれに伴う教育、 研究活動を活発化させる見込みです。
国内では使用実績がほとんど無かったアレイ型GPR装置を新たに導入することで効率的な計測が実現できることを実証し、 大規模遺跡調査技術と東北大学が開発した高精度調査3DGPR技術の組合せを東北地域全体に普及させることも重要な活動です。 また東北大学内の埋蔵文化財調査に係わる埋蔵文化財調査室などとも連携をとり、 センター外部 に開かれた活動を展開していきます。
こうした技術は東北アジア地域における大規模自然災害に対しても利用可能であり、 ロシア、中国、韓国の研究者との交流も推進することを考えています。

地方自治体などで遺跡調査に地中レーダーなどの新技術を導入することを考えている方は、お気軽に本プロジェクトにご相談ください。

研究期間

2013年〜2015年度

研究組織

佐藤 源之(代表者)東北アジア研究センター教授(兼・環境科学研究科)
高橋 一徳東北アジア研究センター助教(兼・環境科学研究科)
クリスティアン・コヤマ東北アジア研究センター産学官連携研究員
飯塚 泰東北アジア研究センター産学官連携研究員

他、東北大学環境科学研究科博士後期課程2名、学部生3名、研究滞在者1名

地中レーダー計測遺跡

2014年度

2014年5月15日 宮城県松島町瑞巌寺境内における地中レーダー計測
2014年4月9日 − 10日 奈良東大寺大仏殿における地中レーダー計測

2013年度

2014年3月25日 宮城県岩沼市津波地層における地中レーダー計測
2014年3月4日 − 5日 佐賀県吉野ヶ里遺跡における地中レーダー計測
2014年1月9日 岩手県花巻市花巻城本丸跡における地中レーダー計測
2013年12月2日 − 4日 埼玉県行田市鉄砲山古墳における地中レーダー・金属探知機を用いた埴輪列の探査
2013年11月12日 福島県南相馬市上渋佐原田遺跡における地中レーダー計測
2013年11月5日 − 6日 栃木県小山市琵琶塚古墳における地中レーダー計測
2013年9月12日 福島県須賀川市団子山古墳における地中レーダー計測と発掘成果の確認
2013年9月11日 宮城県東松島市野蒜築港跡における地中レーダー計測

第12回地下電磁計測ワークショップ(2013年11月23日、24日開催)

劉海(産学官連携特別研究員)による発表
易利(環境科学研究科博士前期課程2年)による発表
アレイ型地中レーダ装置の紹介
高精度調査が可能な3DGPR装置の展示

連絡先

〒980-8576
宮城県仙台市青葉区川内41
東北大学 東北アジア研究センター
資源情報学分野 佐藤源之研究室
Tel&Fax: 022-795-6074
E-mail: sato(at)cneas.tohoku.ac.jp